箱根駅伝

1月3日(日)

 今日は朝からポカポカと良い日よりだ。ベランダに布団を干しつつ、テレビの方に目をやると、箱根駅伝で復路がスタートするところだった。特に駅伝が好きなわけではない。ただ、しばらく首位を飾っていた青学が、昨日の往路では12位と振るわなかった、ということくらいは知っている。

 ちょっと興味が湧いて、モニターを見る。次々にスタートしていく様子が映されるが、よくもまあ、あんな急な坂を駆け下りることができるものだ。

----- 頑丈なヒザだなぁ

などと、感心したりする。調べたところ、彼らは平地でも時速20km以上で走り続けるのだが、意外にも、この下りの6区が、一番、遅い速度らしい。それでも、私の自転車(電動)よりだいぶ速いのだが。

 最近は、スタート前だからと言って、緊張でガチガチになる選手ばかりではないようだ。サングラスをして、笑いながらピョンピョンと飛び跳ねたりしている。不敵な奴だ。そうかと思うと、居ました、好きなタイプの選手。

 痩せて針金のような体付き、ロボットのような四角い顔にボサボサの髪。への字に結んだ口元に何やら悲壮すら感漂うストイックな目つき。これぞ、駅伝選手だ。

----- きっと倒れるまで走り続けるんだろうな

 それはT大7区を走ったN選手。髪をなびかせながらひたすら走り続ける様子は、なんだか素晴らしい。『はぐれ長屋の用心棒』という時代小説に出てくる居合の達人、菅井紋太夫(たいてい知らんだろうけど)を彷彿させる。もちろん、ゴールでは倒れ込んで動けなくなってしまうが、駅伝選手のカガミだ。TVの解説で、主将だというので、「なるほど」と得心したことだった。

 それにしても、選手に伴走するワゴン車、あれは本当に必要なのか。

----- 「遅れるんじゃない。放送車について行け!」
----- 「あきらめるな、1秒でも刻み取るのがお前の役目だ!」
----- 「やるじゃないか!男だね、男だよ、お前は!」

 車体に設置した拡声器から、激励を浴びせかけている。素人の観客としては、どうにも耳障りだ。あんなにしつこく選手に付きまとわなくてもいいのではないか?(あくまでも素人の意見)というか、全世界的にもヘンな「風習」じゃないのか?(あくまでも素人の意見)

 もっとも、駅伝は日本で独自に発生し、発達してきたものだから、「全世界的に」というのは当たらないかもしれないが、それにしても、しつこい激励(あくまでも素人の意見)だなぁ、と思うのである。

 なぜか、ベランダに立ったまま、ずーっと見ていたので、掃除が遅れた。居間に入って掃除機を取ると、

----- もう始めるのかい(本当に必要か)?

という表情でコロ吉がこっちを見ていた。

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