年賀状
1月1日(金)
家中に掃除機をかけるのに1時間もかかったので、10時になってしまった。そろそろ、やり残した仕事にかからなければいけない。カミさんは、元旦というのに朝からパートに出かけていった。オモチャ売り場で働いているので、大抵、休めないことになっている。
なに、2人暮らしなので、どうということもない日常だ。掃除が終ったので、窓をあけ、空気を入れ替える。寝ていた猫のコロ吉が「何事か」という様子で顔をあげる。いつものとおりだ。我々は、曜日や休日に関係なく暮らしているのだ。
仕事にかかったころ、F大のE先生に年賀状を出していなかったことを思い出した。昨年、賀状が来なかったので、そういうことならと、出さなかったのだが、やはり気にかかる。
----- そうだ、ハガキを画像にして、メールで送っておこう。
メールなら、返信の負担をかけずに済むし、義理も果たせる。なかなかいい考えに思えた。アッというまに画像を作って、メールで送信。めでたしめでたしだ。
午後になってカミさんが帰ってきた。
----- 年賀状きてたわよ
仕事に夢中になるあまり、1Fのメールボックスに取りに行くのを忘れていた。「ありがとう」カミさんから受け取り、1枚ずつ見ていく。たいていは、見ても見なくても大差ないようなペラッとした賀状ばかり。もうちょっと手間をかけて欲しいと思うが、そうもいかない事情があるのだろう。中には、
----- 『大画面テレビの前にマッサージチェアを置き、ぼんやり眺め暮らしているうちに、近所が限界集落になりつつあることに気づきました・・・』
----- な、な、なんという年賀状だ
縁起が悪いので、他をみることに。
すると、あろうことが、E先生から年賀状が届いていた。
----- まずい、これは相当にまずいことになった。E先生は、「ハガキを出したのに、返事がメールだった」と思うに違いない。はて、どうしたものかなぁ・・・
思い悩んでいると、玄関で声がする。どうやらY子さんが年賀にきたらしい。Y子さんはカミさんの親友で、高校の教師をしている。いまだに独身だ。毎月、数回は遊びにくる。部屋の中から「いらっしゃい」と言ってしばらく、居間に行ってみると、手土産のおせち料理を並べていた。
----- ようやく正月らしくなってきたわい
それからは、どうなったかあまり覚えていない。おせちをつまみながら、ビール、焼酎、ワイン、カクテル、テキーラなど、手当たり次第に飲んで、夜遅くまで騒いでいた。ひとまず、人並みの正月というものだ。